Rie’s diary

おいしいものと旅行が大好きです。

最北の重要文化財 旧花田家番屋 (北海道留萌郡小平町)

 最北の重要文化財。旧花田家番屋。まさにニシン漁で栄えた「ニシン御殿」です。明治38年頃に建築され、道内で現存する番屋では最大の規模を有し、当時雇い人が200人を超えた大鰊漁家で、見学ができます。

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 メインのフロアに半地下・半2階があります。半地下は資料室になっていて、色々な「本物」がおいてあります。魚を入れて背負うための木の箱とか。 

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 半2階が「寝るところ」だったそうです。もちろん、花田家の方々は畳の上で寝ていたようですが(笑)。まさに「マッサン」で見た通り、出稼ぎできた「若い衆」がここで集団生活をしていたそうです。

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 ニシン漁。明治時代から民間参入で北海道の基幹産業ともなっていたニシン漁。1年のうちの数日の漁で1年を暮らせるぐらいの収入になり、成功した漁業者の「ニシン御殿」が立ち並び、それこそ、町も「酒蔵」ができたりと発展してきていた。それが昭和30年には留萌地方でも激減、昭和32年にはニシン漁は行われなくなったと。その間、わずか2年。どれだけ多くの人が「人生が狂った」のだろうか。

 

 朝ドラの「マッサン」でニシン漁師の熊虎さん家族&ニシン御殿が出てきて、しかし、ニシンが捕れなくなって、結局、その番屋がニッカの発祥の地となるわけだけど。

 

 もともと、ニシンは大漁と不漁とを繰り返していたらしいのだけど、この昭和30年の「激減」からは、まだ回復していない。この原因として、1)海水温の上昇、2)乱獲、3)森林資源の伐採が言われているそうだけど、おそらく最も大きい原因は「乱獲」。魚さんも重要な資源。産卵にきているニシンを根こそぎ捕ってしまえば、そりゃ、減るだろう。間違いなく。

 ちなみに「森林資源の伐採」は、このような木造の巨大な「ニシン御殿」を立てるために、木を切りすぎて、海の状態が変わってしまったから、と言われているそうだ。

 

 魚も資源。当然のことながら、穫りすぎるといなくなってしまう。さんまやウニの不漁や高騰が伝えられる中、海の魚さんたちと共存する仕組みを本気で考えないといけないのだろう、と思いました。私はあまり漁業には詳しくないのだけど。

 

 窓から見る「海」。最盛期には、産卵のためにやってきたニシンで、海が銀色に輝いていたんだそうだ。

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  ここは北海道の西部、日本海に面しています。ということは、日の入りがきれい。残念ながら雲がでてしまいましたが、大海原に日が落ちていく「場」は独特の雰囲気があります。

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 この旧花田家番屋は、北海道留萌郡小平町にあります。「どこ?」という感じですが、北海道の西側(左側)のカーブの途中です。

www.town.obira.hokkaido.jp

 何かがある?とういわけではないんだけど、広い海と山の恵みと食べ物のおいしさと人のやさしさがしみる場所です。漁師町でもあり、農業町でもあります。

 

 旭川の方がアクセスが良いです。札幌からは、高速バスで2時間ぐらいです。日帰りも可能かな。JRで留萌駅まできて、そこからバスでもアクセスできます。ちょうど、この番屋前がバス亭なんですよ。

 

沿岸バス株式会社|札幌・旭川・増毛・留萌・羽幌・遠別・豊富

↑なかなかの萌えっぷり.....(汗)。

 

 日本国内でも、まだまだ行ってみたい場所がたくさんある。素敵な人たちと、おいしいものとの出会いもある。やっぱり旅行は楽しいです。