今、私が最も気に入っている温泉。私にとってのナンバーワン温泉、杣温泉(そまおんせん)。
岩手県は「日本のチベット」と言われておりますが、この岩手県と秋田県の間はまさに「日本の秘境」。この秘境に秋田県側からアクセスするのに便利なのが、「秋田内陸縦貫鉄道」。名前を聞いただけでも背中がぞくぞくしてきちゃいます。「縦貫鉄道」ってどこを縦貫するのかしら。それが岩手と秋田の間にある山々の秋田県側を走っているのが「秋田内陸縦貫鉄道」です。
この「秋田内陸縦貫鉄道」の駅の1つ、「阿仁前田」で降りて、車で20分ほど山を登ったところにあるのが「杣温泉」(そまおんせん)。私のお気に入り温泉です。もちろん、「車で」の部分は、杣温泉旅館のご主人に迎えにきていただきます。いつもありがとうございます。日本の秘境ではあるけれども、鉄道でアクセス可能なのは本当にありがたい。
現在、すべての車両を「秋田犬っこ列車」に改装中だとのこと。
しかし、乗車すると、なんかお客さんがそれっぽい方ばかりなのですが(笑)。
最寄りの阿仁前田の駅までマタギのご主人に迎えにきてもらって、そこから20分ほどのドライブ。道はきちんと整備されていて、除雪もされています。だけど、雪の山道ドライブは慣れない人にはお勧めできないので、迎えに来てもらうのがよいかと思います。
なぜ、こんなに道路がきれいなのか。ダムがあるからでしょう。。。きっと。このダムの底には村が沈んでいるんだそうです。きっと、いろんなドラマがあったんだろうなぁ。
到着。杣温泉。本当に山の中に一軒だけある旅館。
今日は貸し切り。わーい、すべて独り占め。
私は本当にここの露天風呂が好きなんです。まだ冬にしかきたことないんだけど、本当に。夏でも秋でもきっと楽しめるのだろうけれども、虫も多そうなので、今のところ冬。寒いけど。
一応、混浴というか露天風呂は1つしかないんですが、「秘湯すぎて人がいない」ので、独り占めできることが多いです。また、女性が入っているときは「女性専用」の札を下げることもできます。でも、混浴の相手は熊や狐や狸になる可能性の方が高いです。
もはや、田舎のおじいちゃんちに遊びにきた状態なので、そもそも鍵も渡されず(笑)。他に人がいないからかける必要もなく。トイレや洗面台は部屋の外だけど、それもおじいちゃんちだと考えれば、そんなもん。
夕食。TVでフィギュアスケートをみながらゆっくり2時間かけて食す。
いのしし。このスープがおいしいのなんの!いのししは脂身がおいしから、って。
熊鍋。熊肉がごろごろと。とろけるような柔らかさなんてのとは縁がないけれども、かみしめればかみしめるほど味がでてくるワイルドさ。
ああ、お米のごはんがおいしい。
ということで、おなかいっぱいでパタンキューとおやすみ~。
そして。朝なのです。露天風呂を楽しむなら早朝なんです。早朝、まだ暗いうちにお湯にとぷん。そして、空が徐々に白んでいくのを楽しむ。これが温泉の醍醐味です。約1時間。露天風呂の中で、自然と一体化する自分を楽しむ。なんて贅沢な時間。これが私にとって最も大事なこと。
朝ごはん。いつもスムージー飲んでおしまい、なんだけど、やはり1時間30分ほどかけて、じっくりと味わう。
おばあちゃんのお手製ばっけみそ。おじいちゃんがとってきたばっけ(ふきのとう)でおばあちゃんが作ってくれたみそ。そんな感じ。
うう。このちょっとした苦みが野生の味。やっぱりおいしい。
ということで、以前、真冬にとった写真もご紹介。モデルは本人です。
このぐらい寒いと、外でぬれタオルを振り回していると凍ります。
露天から見上げる空。本当に自然の一部になれます。
旅館は古いです。老夫婦二人で営んでいるので、なかなか厳しいところがあります。だから万人向けはない。この自然のど真ん中に滞在できることを最優先にできる方でないと。
マタギのご主人(おじいちゃん)、もう70代半ば。おそらくご主人になにかがあれば、今のような感じでお客様を受け入れることはなくなるだろうから、あとどのぐらいなんだろう。もしかしたら、そんなに長くはないのかもしれない。
駅からの送迎は2名から、となっていますが、忙しくない時期なら1名でも対応してくれます。また、他にもお客さんがいる場合だったら、「ついでに」ひろってもらえることもあるだろうから、ぜひ、お一人の方もきいてみてください。温泉好きなら、一人の方が楽しめるタイプの宿だと思います。