Rie’s diary

おいしいものと旅行が大好きです。

入院レポート(1) 救急車に乗りました

 3月10日から22日まで、岩手県立中央病院に入院しました。初入院。といっても、予後に問題はなく、退院後には通院も服薬もしておりませんので、大丈夫です。

 

 この時にひしひしと思ったのは、「自力で電話して救急車を呼んで、玄関のカギをあけて救急隊員さんをお迎えする」にはかなりの体力が必要、ということ。だから、一人でいるときには、その体力が残っている間に、意識がある間に救急車をお願いしなければならない、ということです。

 

 救急車をタクシー代わりに使う方もいるといわれていますが、一般人にとって、119をするのは勇気がいること。だけど、意識がある間に、まだ少しは自力で動ける余裕があるうちに救急車を呼んでください。

 

 空振りのときは、救急対応してもらって、「帰っていいですよー」となります。だから大丈夫、思い切って119してくださいね!!!

 

【経過報告】発症から入院まで

 3月10日。朝5時頃。気持ちが悪くて目が覚め。とにかく体が前後左右にグルングルン回っていました。何が起こったのかがよくわからなくて、何?何?と思っていると、次は当然のことながら吐き気が。トイレに駆け込み、げー。時間帯的にすでに胃液しか出ない。気持ち悪い。そのうち、トイレの方をもよおしてきたので、最後の力を振り絞り、便座をおろして座る。昨夜の食事分、排出。よかった。

 

 のところで、動けなくなりました。便器前に置いてあった除湿器に頭を乗せ。手はだらり。そして、もううごけないので、そのまま胃液をげー。げー。試しに頭を動かすと加速度ついて、げー。

 

 おもしろいもので、すんごく辛いのに、どこか冷静に観察している自分もいて。こんなにげーしてたら、これはそろそろ点滴必要なレベル(脱水)だ、とか、あまりにも冷や汗がすごくて、体冷えてきたー、とか。そういえば、そこになっちゃん(オレンジジュース)あるから、飲むとましにるかな、とか。まあ、おしりは暖房便座にはまってて暖かいから、少し寝たら落ち着くかな、とも思ったけど、この辺りで、「このままだと、脱水と低体温で一度寝たら目覚めない」可能性を考え始めました。時間は6時過ぎたくらい。

 

 となると、ここはやはり救急車のお世話になるしかないなぁ、まあ、おもらしはしてないし、たのめるかな、と考え始めます。ちなみに、おもらししてない、というのは、少なくとも私にとっては大きなファクターで、この時点で、おしりが便座にはまっているのは頑張った成果だな、と思っております。

 

 さて、次はどうやって携帯電話までたどり着くか。トイレにスマホも持っていけばよかった。うちは6時にテレビがついて、そろそろ7時になるのですが、待っても回復の見込みはなさそうだし、冷や汗で体が冷えて震えてきたし。うーん、ここで冷たくなって発見されるのかー、やだなー、その為には電話のとこにいかなきゃ、しかし動かんぞ、やーん、死んじゃうのかー、という葛藤を繰り返し。死んじゃう選択肢しかなくなったところで、まさに最後の力を振り絞り、便座から下に落ちる。もちろん、頭がうごくので、げー。

 

 ここでウルトラC技発見。仰向けで頭を安定させて足だけでずるずると動くとそんなに辛くない。再度ベッドの下まで移動し、何度も見に来ていたなずなに、「すまん、今夜は帰れぬかもしれぬ」とペレットを多目に出し、エイヤっと電話を手に。念願の119。7時半ぐらい。

 

 頭をうごかしたので、「どうしましたか」に対して、「げー。」で対応。それでヤバそうな状況は伝わり、住所、名前を告げて、待つ。

 

 ピーポーの音が聞こえてきてほっとしたところで、ピンポーン。やっぱ出ないとあかんのか、と、先ほどの技で玄関に向かい、鍵を開けて、パタリ。ガタガタ震えているところで救急隊員に保護されました。

 

 外部との唯一の連絡手段であるスマホをひしと握りしめ。そして。泣きべそをかいている実際の私とは別に、妙に冷静な私が具体的な指示を隊員さんに出しているのが(自分でも)おもしろい。

(り)部屋の中の白い箪笥の上から3番目の引き出しの中に黒い革のケースがあって、そこに保険証とお薬手帳が入っています。

(り)そうだ、同じところにピンクの布製のお財布がありますから、それも一緒に。

(り)台所の奥に籐でできたかごがあって、そこにいま飲んでいるお薬が入ってますからそれも。

(救)帰りはどうしますか。

(り)タクシーで帰ります。

(救)靴は持っていきますね。

(り)それならそこにかかっているピンクのコートをもっていきます。

といったやり取りをしています。

 

 乗ってから、「誰か身内の連絡先ありますか」と言われて、実家の電話番号、これは子供のころから使っている番号なので、それを叫び。隊員さんがかけてみたところ、母親が出たようで、「これからお嬢さんを運びます」と連絡。

 

 また、状況的に脳梗塞心筋梗塞が疑われたので、2次救急の県立中央病院に電話してくれ、受け入れが決定。その間も、「右足の足先を左足の膝につけてくださーい。」「逆をやってみてくださーい。」「左手を右の肘につけてくださーい。」「逆をやってみてくださーい。」「目を開いてこの指をみてください。動かすので動いた方をみてくださーい。」などといろいろ注文がされますので、しんどい中でそれに対応。この時も、横にビニール袋セットで、時々げーっしておりました。

 

 実は、以前からできたてほやほやの岩手医大の大学病院に入院してみたかったのですが、意識があって、ものすごくしんどくて気分悪くてげーっが止まらない状態で、少なくても40分はかかる医大病院さんをリクエストする余裕はありませんでした...。

 

 10分ほどで県立中央病院に到着。横にビニール袋をセットした状態で、また手足の動きを確認。「CT撮りまーす!」「心電図取りまーす!」「レントゲン撮りまーす!」「(レントゲンは)無理ー!」と思ったけれども、レントゲンも寝たままの状態で背中に板のようなものをいれて撮影。頭&心臓の緊急性がないことを確認。

 

 そこでめまいを抑える注射をブスッ。筋肉注射だし、それなりに量があるので痛いぞ。「歩けますかー」ときかれるけど、でも動けそうになくて、さらにでかいのをブスッ。少し体を立てて待っていたけど、やっぱり動けそうにない。

 

 というところで、耳鼻科の先生がいらして、様子を見て、入院決定。たんかで運ばれて、ベッドに移動。ベッド、やわらかいよ。うれしい。だけど、ちょっと移動が入るとげーってなってしまうので、相変わらずビニール袋と一緒。ずっと寒くてガタガタ震えていたのだけど、ここでお布団かけてもらって、落ち着いてきた感じ。

 

 トイレ問題。最初、「差し込み便器を使いますから」と言われていたんですが、どうしてもうまくタイミングがとれず。お願いして管をいれてもらいました。どうしても細菌に感染しやすくなるので、あまり長い間使うものではない、と釘を刺されましたが、トイレの心配がなくなって、ほっと一息。

 

 しんどすぎてまったく時間の概念がないのだけど、夜になって、なんとかペットシッターさんへのなずなのお世話のお願いと、この日のミーティング(無断欠席してしまった)の同僚さんに連絡。同僚さんが面会時間ギリギリに顔を出してくれたので、スマホの充電器をお願いしました。

 しかし、スマホすごい。この日は、腕をあげるのもしんどかった。けど、LINEやMessengerなら、「入院しました。なずなの世話をお願いします。」「入院した。県立中央病院。」ですむから、なんとか踏ん張れた。

 

 ずっとなずなの世話が心配だったので、この連絡がとれてほっとしたのか、でも眠れなかったけど、動けないし、しんどいし、ちょっとでも動くとげーってなっちゃうし、疲れたし、ぼーっとしてました。

 

 (ということで、救急隊員さんから「お嬢さんを運びます」という連絡のあった親への連絡は次の日になってしまうという。心配しただろうね、ごめん。)