Rie’s diary

おいしいものと旅行が大好きです。

入院レポート(4) 人間復帰~退院(9~13日目)

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 入院したお部屋はいわゆる大部屋、6人部屋です。各ベッドはカーテンで仕切られており、そして、ベッドの横に有料のテレビと冷蔵庫付きの棚が1つあります。棚には引き出しが1つと、引き出して机のように使える棚が1つ、鍵のかかる小さな引き出しが1つあります。棚の上の方に浅い棚とロッカーがあって、荷物を入れることができます。

 

 引き出しが1つしかないので、ここに日常のこまごましたもの、具体的にはパンツやブラトップ、生理用品などを入れてもらいました。床に物を置くことはできないので、S字フックが差し入れられ、例えばアクエリアスバッグとか、タオル入りのバッグとか、洗濯もの袋などは吊り下げていました。このS字フックは大活躍。洗濯ものは、ビニール袋の中に洗濯ネットが入っていて、看護師さんにそこに入れてもらいました。それを飲み友さんが洗って持ってきてくれて、再度棚の中に収められるというルーチン。なかなか効率的。ありがとう。

 

 ここにスツールが1つ置いてあって、お見舞いにきた人などが座れるようになっています。しかし、スツールだと怖くて座れないので、看護師さんに「背もたれのある椅子はありませんか?」ときいてみたところ。もってきてくれました。

 

 

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 この背もたれ付き椅子は便利。上体を起こすことはできたけど、すぐに疲れてしまうので、背もたれが必須。これに座ってごはんを食べられるようになりました。

 

 横にあるのが歩行車です。足には問題がないので、車椅子は大げさだし、退院までに歩けるようになる必要があるので、お借りしました。歩行車を使って、まずは介助してもらってトイレ、次に診察室まで動けるように。しかし、救急で搬送されて入院してしまったので、外の世界は初めて見るものばかり。ついきょろきょろしてしまって、気分が悪くなったりしていました。

 

 さて。ここまででお風呂に入った記録がありません。そうなんです。9日間、ノーお風呂です。トイレには鏡があるので自分の姿が見えるわけですが、すんごいことになっています。髪の毛は束感ばっちり、べっとりしていてなんか臭いし、顔の皮膚の張りがなくなって、でろーんとした顔になっている。私の目って、こんなに白目が目立っていたかなぁ、と思うぐらい、目がアーモンド形ではなく下にのびた〇になっていました。なるほど、皮膚の張り、大切なんだな。

 

 という9日目。看護師さんがお風呂に入れてくれました。車椅子でお風呂場まで、看護師さんがいろいろと手伝ってくれて、シャワーを浴びます。頭も看護師さんが洗ってくれるのですが、3回目ぐらいでやっと泡がたってきたぐらいのべっとり頭。自分で洗ってみても、髪の毛が貞子のごとくげっそりと抜けてきます。うえ〜。

 

 顔も体も洗って、すんごくすっきり。看護師さんが髪の毛も乾かしてくれました。人間に戻った気分。

 

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 姉からの差し入れでいい匂いグッズが届き。洗う看護師さんもいい匂いのものの方が心地よいでしょう。ありがとうね。

 

 7日目の朝から始まったおなかピーも、8日の夕方ぐらいには落ち着き。外来で聴力の検査もうけて、たぶん異常なさそうだし、ああ、なんか人間に戻った感じ。それが9日目でした。

 

 さて、ここからは「いつ退院するか」という話になります。急性期の病院であることもあって、お医者さんはいつも「退院だー」といつも言うわけですが、「はいそうですか、では今日退院します」とはなかなかいかないわけで。いや、いく人もいるみたいだし、実際、看護師さんたちはまだまだ、と言っているのに、「帰るー」と退院していくおじいちゃんもおりました。確かに、車椅子を押してくれるおばあちゃんがいて、ごはんも作ってくれて、本人は一日中寝ていても大丈夫、な家庭環境なら、退院できそうな気がします。

 

 けど、残念ながらそうはいかない。家に一人でいて、買い物行くのもつらい状態なら、もともとセルフネグレクトの気があり、食事も義務感で食べているような状態では、今度は栄養失調で衰弱して運び込まれそう。それに、自立して二本足で歩けない状態で、どうやって「退院する」のか。荷物を一緒に持ってくれる人をお願いするにも、「今日いまから!」というわけにもいかないし、「明日の昼にお願い!」も気が引ける。普段の私を見ている飲み友さんも同僚さんも「もう少しいたほうがいいんじゃない?」と。

 

 このあたり、もう少し対応の仕方があるんじゃないのかなぁ、などと思いながら、でも、若いお医者さんだと難しいのかもしれません。看護師さんと相談して、リハビリに励むことにしました。

 

 10日目。2日連続でお風呂に入れるなんてことはないだろう、と思っていたのに、「今ならあいているから入れますー!」と看護師さんがすっとんできて。なんと、2日連続でお風呂にはいって頭のてっぺんから足の先まで洗うことができました。「お風呂に入るとみなさん元気になるから、一人でも多くの人に入ってもらいたいんです」と話していた看護師さん。そうか、看護師さんに必要な資質はこれなんだな。そして、お風呂に入るたびにパジャマも交換してくれるし。人間らしい生活は回復を促進するよ、本当にありがとう。

 

 歩行器を使って歩く練習。小児科もあるので、同じフロアにジュータン敷きのお子様広場があり。そこでまずは座ったままで動く練習。体動かさないとおなかもすかないからね。空いている時間はスマホ廃人(笑)。メールも書いちゃうので、フリック入力がますます早くなる。

 

 11日目。春分の日でお休みのため、付き添いにきてくれた飲み友さんと一緒に、歩行器を使って院内探検にでかけました。1階の食堂でお茶にも成功。こちらもかなり適応が進んできていて、とにかく頭を動かさない、動かさずに話をしたりお茶を飲んだりする行動パターンになりつつあります。をを、そろそろ退院できそう。

 

 散歩から帰ってきたあとも、お子様広場で歩く練習。頭を動かすとダメ。動かす方向にもよいのとダメなのとがある。うっかり動かして気分悪くなったりもしていたけど、盛岡はもともとそんなに人のいる土地ではないから、ゆっくり動けば大丈夫かな、という気になってきました。そして、お風呂も一人で入れるように。

 

 そう、お風呂場。ここはちょっと古めの病院なので、お風呂は「お風呂場」があるんだよね。湯船につかれてしまう。姉の病院は個室みたいだったし、だからお風呂は毎日入れないみたいだったので、逆に新鮮。

 

 不思議なもので、こうやって動けるようになってくると、「飽きた」という感情がわいてきました。それまでは、「このまま退院して気分悪くてごはん食べられなくて衰弱しちゃたらどうしよう」だったのに。

 

 母に電話。母がいなくても退院はできるのだけど、気になるんだそうだ。あと、入院費を払うための手持ちの現金は持ってきてもらえると助かるかも(この心配は後日解消)。休日の方がお手伝いを頼むのもよさそうなので、三連休最後の22日を退院目標に設定。幸か不幸かいつもは混んでいる東北新幹線がガラガラなので、母も心配だからくる、んだそうだ。あまりにも外は歩いてほしくないんだけどね。

 

 実はなかなか食欲が戻らず。最初のうちは「看護師さんが心配するから」餌を食べているような感じでした。やっとこの日の夕食を1時間かけて完食。趣味が美食であることは知られておりますが、意外と私は普通の食に執着がないのね。びっくり、というか、これはセルフネグレクトで栄養失調の可能性あるわな。

 

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 12日目。とりあえず順調なので、「明日退院するよー」とお医者さんに伝えます。せっかくなので、「再発が怖いんですけど」ときいてみると、「睡眠と栄養を十分重要ストレスをためずに適度に運動して。枕は高めがよい、と言われてます」だそうで。先生、あなたもそんな生活無理でしょう(笑)。

 

 ごはんをおいしく食べたいので、朝も午前中も午後もリハビリ。午後に同僚さんがきたので、歩行車なしで1階に降りてコンビニで買い物。ついきょろきょろしてふらついてしまいましたが、コンビニで買い物成功。

 

 看護師さんにはしばらく家で療養してね、と言われていたけど、家にいると運動量がおちてあぶないので、早々に職場復帰計画。知り合いの個人タクシーさんに電話して、退院後1週間の行きのタクシーをお願いしました。帰りは同僚さんに送ってもらう約束で、しばらく午後出勤してみます。これができるのは、裁量労働制で、かつ、接客等を伴わない仕事だから。

 

 13日目。退院の日。母が来るというので、飲み友さんへのお礼を手配してもらいました。荷物もあまり増やさないように気を付けていたので、片付けもあっさり。母は荷物持ちとしてはあまり優れていないので(笑)、持ち帰りのものは少なくなるようにしました。ロクシタンのボディオイルはお向かいのおばあちゃんへ。話しかけてくれて楽しかったから。おばあちゃん、入院してからいいことなかったから、1つぐらい、いいことがあってもいいよね。と、あとでお値段をみて「えー!」と思ったけど。でも。私は、元気になったら、また働いて稼いで自分で買います。

 

 最後に年配の方のお医者さんの診察だったので、「原因はなんですか?」ときいてみました。「耳石」ということだったけど、耳石と決められる検査はしてない。日常でのちょっとしためまい症状は街の耳鼻科で大丈夫だけど、動けないほどの症状が出たら、これは街の耳鼻科では無理だから救急車を呼んでね。と言われる。もう救急車には乗りたくないんだけど。なんかすっきりしない感じ。

 

 知り合いのお医者さんたちには、救急は救急の検査・治療になるので、MRI撮ってみたほうがよいよ、と勧められる。なかなか病院に行きにくい今日この頃、でも、頭痛がなかなかとれないから、MRI撮ってもらうかなぁ。

 

 最後の病院食。

 

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 そして、退院後は清次郎さんへ。本まぐろ三点盛り。うーん、おいしい。

 

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 入院費は、退院日が休日だったので、後日、連絡があってそれからでよい、と。姉の入院していたところは、入院費を払ってその領収書を見せないと退院させてくれない、という話で、こんなゆるゆるでよいのだろうか、さすが県立病院。着の身着のまま入院だったので、助かりました。

 

 外に出てテレビを見ると、新型コロナでイタリアが大変なことになっている状況が映し出される。私が入院していた病院は、もし新型コロナ患者さんが発生したら県内で中心となる病院。今だ発生しておりませんが、いつくるかいつくるか、ということでドキドキ状態だったところに入院させていただきました。

 

 私がいた時期は、一応家族のみ面会が可能だったけれども(見ての通り、ほぼ家族のような方々がきてくれていましたが)、今は家族もダメ、という。働いている方々も入院されているみなさんも緊張の日々なのだろうなぁ。