Rie’s diary

おいしいものと旅行が大好きです。

平成30年北海道胆振東部地震 (ホテルポットマム・札幌)

 9月6日未明。旅先の札幌で「平成30年北海道胆振東部地震」を体験しました。その記録を残しておこうと思います。なお、私は7日に飛行機で帰宅しています。

 

 9月3日から6日まで、学会+αで札幌にきておりました。途中、ちょっとだけ札幌を離れていて、その間に台風が訪れたようなのですが、台風よけた!と喜んでいたら、その夜に地震

 

 5-6日の滞在場所はここ。なんか見ての通り、おしゃれなところです。1階がカフェ、2階がドミトリー、3階が個室。最近、ゲストハウスにはまっていることもあって、2階のドミトリーに泊まっていました。なんか、おどろくほど宿泊費が安い。

www.potmumhotel.jp

 1階のカフェは、夜はバーになります。お酒も飲めるし、食事もできます。100円割り引きチケットをもらったので、さっそくクラフトビール飲み比べ。実は、前のところから「ホタテごはん弁当」を持って帰ってきていたので、「食べてもいいですか?」ときいたところ、「宿泊の方はいいですよ」ということで、クラフトビールと北海道ホタテごはん。

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 とにかく建物も内装もおしゃれ。建築に興味があるのでしょうね、関係書籍も置いてありました。ここに本があったのが、実はあとで助かっています。

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 2階のドミトリー。2段ベッドの上。館内着とバスタオル、タオル、バスマット、歯ブラシがついています。たいてい、これらは別料金なのでうれしい。

 

 ベッドはせまいかな。もうちょっとひろい&マットが柔らかい方がいいかなぁ。などと思ってもみたのだけど。シャワールーム、トイレともに男女別。だけど、動線はかなり重なります。ま、同じ階なのでね。

 

 5日は朝早かったし、それなりに移動もしたので、疲れていたはず。なのに、2時半ぐらいに目が覚めてしまって、体がむずむずして眠れなくて。ストレッチしたりしてばたばたしていたところ。

 

 すんごい揺れ。

 

 めちゃ揺れました。揺れたと同時ぐらいに緊急地震速報スマホがぶるぶる。

 

 揺れが収まったところで、ガチンという音がして電気が消えました。非常用電源で照明はしばらく着いていたけれども。

 

 最初はスマホで調べていて、んでも、電気が消えて&津波の心配がなさそうなのがわかったところで、なんかとっても眠くなりました。もしかすると、野生の勘がなんらかの異変を察知して目が覚めたのかもしれません。

 

 とはいえ、すぐに目が覚め。相変わらず電気がないのですが、どうも飛行機は飛ばなさそう。7時ぐらいに欠航の連絡があり、とりあえずジャージに着替え、顔を洗って、7時半ぐらいに、1階に降りてみました。

 

 カウンターのおにいさんに、「今日、延泊したい」ことと「朝ごはん、何か食べられないか」をきいてみたところ、システムが落ちているから断言できないけど、たまたま私の泊まっているベッドはこの日もあいていたらしくて、「大丈夫です」と言ってもらって、ほっ。「もし、ダメだっても、ロビーを開放するので、いてください。」とも言ってもらったので、なんか、それで「私は大丈夫」の確信を得ることができました。

 

 ここ、すんごい大事。すすきののホテルに泊まっていた方々の中には、延泊を断られて追い出されたりしたらしいのですが、おそらく札幌に来られない人がいて、一定数のキャンセルは発生するだろうから、ロビーにいてもいいよ、と言ってもらうだけでも、すんごく気が楽になっただろうに。

 

 この時、かなりあちこちで停電で。ホテル側もシステムが使えなくて予約状況を確認できない状況だったので。ここで延泊を認めるかどうか、というのは、加えて、ロビーの開放を決めるというのは、ひとえにそのスタッフの力量だと思います。スタッフの方々、みなさん若かったんですけど、みんなで作ったこだわりのホテルなんだな、ここは。と、心から思いました。

 

 朝ごはんの件も、「火が使えないから調理できないんですけど、パンとかジュースとかならご提供できます」と、パンとジュースを出してくれました。ありがとう。パンが大きかったので、1つ、ナプキンで包んでお弁当に。

 

 さらに、ケーキを。

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 このケーキを食べているときに、職場のスタッフから電話があり、「大丈夫ですか!何していますか!」で「あ、今、ケーキ食べてる」と返事。だって、本当にそうなんだもん、でも、心配してかけた方からすると拍子抜けだよね。

 

 このまま停電が続くと夜も暗い可能性があり。停電の夜に眠れないのはしんどいことが予想されるので、昼間は本を読もう、と、おいてある本を物色。自分も英語の参考書持ってきていたのだけど、やっぱりいやなんだね(笑)。あと、スマホの電源が貴重なので、こちらも電源を落とす。基地局の電源の問題なのか、12時ごろに電波が通じなくなって、ちょこっとびびる。16時ぐらいに復活。

 

 飛行機は早々に7日の16:00の便に振り替えたのだけど、なかなか千歳空港に対しての良い情報がなく。それなら8日の便に振り替えるかどうか。8日の便がいっぱいになると、今度は帰るのが9日になるので、それは困る。9日なら8日に帰りたい、んでも7日に飛ぶなら7日に帰りたい。ここの判断が難しかったです。私の路線は千歳ー花巻というマイナー路線だったので、競争率が低くて、それで、かなり判断を待てたのですが、東京便などのメジャー路線は競争率高かったみたいです。この飛行機の話は次の記事に。

 

 たまたま、1階のカフェで、私の斜め前に座った女性と友達になる。同じように一人で神戸からきている看護師さん。このあと、ずっと一緒に色々おしゃべりもして、楽しい滞在になりました。彼女に会えて良かった。意識的に、にこにことして動き回り、同宿の人に話しかけたり、スタッフの方にも話しかけたりしていました。

 

 ホテルの向かいがコンビニで、午前中で締まってしまい、斜め前のマックスバリューは長蛇の列。看護師の彼女が1時間並んで買い物をしたそうで、売られているものはお水とかパンとか限られたものだったそうです。私も、午後3時すぎに行ってみましたが、「今日は5時で閉店するからもうダメ」ということでした。

 

 しかし、ここのスタッフさんたち。本当にみなさん若いのに、きびきびと動く。ゴミのペットボトルの中から水のペットボトルを選んで洗って水つめて。洗いかごとかにも水。大きめのビニールプールにも水。結局、断水はなかったのだけど、断水になるとトイレ問題が発生するから、水の確保は大切。さらに、カフェのテーブルを横の庭に出して、カセットコンロを設置して何かしてる。「なんかよい予感」と話していたら、本当に。

 

 お昼のまかない。パンに玉子、サラダ、スープ。

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 温かいものを口にできると人間は落ち着ける。私も3.11体験者として、本当にそう思う。それを、自然とやってくれるんだから。うれしい。

 

 15時ぐらいに、近くの八百屋さんにいたら通電。信号もついて。やったー!と思ってホテルに戻ってきたら、まだダメでした。んでも、これで遅くても明日の午後には通電するかな、という目処が立ちます。

 

 さらに夜まかない。カレー。ごはんが炊けなかったので、カレースープのようになっておりますが。お野菜たっぷりしっかり煮込んだカレー。なんておいしいんだろう。さらに、彼女からマックスバリューで買ってあったサンドイッチやおにぎりをいただき。満腹。

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 減ってくるスマホの電源と戦いながら。明日の便を明後日に振り替えるかどうかを考える。これだけが大変でしたね。んでも、目の前のマンションも通電したから、充電はなんらかの方法でできるかな、という目処も立ちました。

 

 ベッドが確保できた方だけでなく、ロビーで寝る方も。灯油ストーブのやわらかな明かりやランタンやLED電球や。色々と明かりもおいてくれて、本当に困らなかったです。この薄暗さもいい思い出。

 

 21時ごろ、寝る直前に、千歳空港に電気が開通した!というニュース。これは明日帰れるかな、と思い、昨夜はあんなに眠れなかったのに、バタン。目が覚めたのは5時でした。

 

 この時点で欠航ではなかったので、帰る準備を始めます。電気がないので、お湯がでなくて、んでも、水シャワーを浴びて。髪の毛は洗えず、ちょっとくさいかも(笑)。

 

 で。なんか1階のロビーがいいにおいであふれていて。

 朝まかない。牛乳のスープにスクランブルエッグにアイスコーヒー。昨日のパンの残りをスープにひたして食べて。ああ、なんて幸せ。

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 斜め前の駐車場が通電していたので、電源をお借りできないか、見にいきました。コンセントを発見したので、大変申し訳ないことに、電源をお借りしました。電源が確保できるとがんがん検索かけられるので、かけてみる。花巻便の朝一は欠航になっていましたが、千歳空港朝10時開館!を発見し、これはやっぱりとりあえず空港に行くかなぁ、と考え始めました。

 

 とはいえ、おわかりの通り、ポットマムの滞在は相当に楽しく快適なのですよ。もう1日の延泊の可能性もきいてみたところ、断言できないけど、最悪、ロビーにいてください、とのことだったので、居場所もあるし。ああ、居場所があるというのは、なんて素敵なんだろう。

 

 その後、学会シーズンで実は大勢の同業者が札幌入りしておりまして。友達がタクシー同乗者のマッチングをしてくれたおかげで、タクシーに乗れることになり、千歳に向かうことになります。これ以降は次の記事で。

 

 ポットマムさん、7日の夜はバーベキュー。もともと、イベントを予定していたそうで、その食材が持たないから、と、おおばんふるまい。ごはんも電気が通っているところで炊いてきてくれたらしいです。さらに、夜に通電したので、お祝いとしてケーキが振る舞われたそうで。ああ、残っていても楽しかっただろう(笑)。

 

 最近、ゲストハウスとかホステルとかの滞在に興味が出てきて。ここまで快適だったのは、やはりホステルだったからだろうと思います。最初に滞在したゲストハウスで一緒だった方も帰れなくなっていましたが、やはりそのままゲストハウスに滞在していたみたいだし。ベッドに空きがなくても、あそこは畳の共有スペースがあるから、そこで寝転がれれば、とりあえず眠れるし。災害時の旅行者として「居場所がある」があるのはとっても心強い。本当に。

 

 スタッフの方々、本当にありがとうございます。あの一晩を一緒に過ごした方々に、また会いに行きたい。本当に。ありがとうございました。