フランスは美食の街リヨンの大衆食堂であるブションの料理を楽しめるフレンチレストラン。私の大好きな大好きなレストランです。ミシュランで星も獲得しているとのこと。なんと。いや、ブションは星もらっちゃいかんでしょう(笑)。
神楽坂はフレンチの街なので、素敵なフレンチレストランがたくさんあるのですが、私はやっぱりここが好き。リヨンという「食い倒れ」の街の「みんなの食堂」の雰囲気が(多少)感じられるからです。フランスで普通の人たちが食事をしているレストランって、基本が前菜+メイン+デザートの3皿で、一皿の盛りがすんごくて、時間をたっぷりかけておなかいっぱいに食べるものなんですよ。
ちなみに、店内中央のらせん階段は、高校時代の友人の作品です(笑)。
東京で土曜日のお昼にランチができることになったので。私のわがままでここを予約させていただきました。やっほ-。ランチタイムは、11:30~13:10と13:30~15:10の2部制。後半の方がゆっくりできるのではないかと後半に。それでも予約で満席。というか、神楽坂の街、土曜日の昼間だというのにすんごい人出。
土日のランチは、3品か5品かのコースのみ。さすがに5品は無理だろうから、3品のコースを。プリフィクスで、メニューの中から選びます。
私は、前菜を「リヨン風サラダ 自家製ベーコンとケークサレ」、メインを「ルイ・ポコ風 ウサギのコンフィ ジャガイモのピューレ」に。付き合ってくれた先輩は、前菜を「コショナイユ ブションリヨネ風」、メインを「ブーダン・ノワール りんごのタタン仕立て」に。
飲み物はビールとグラスワインで。泡にしようと思ったら、シャンパーニュしかおいていなくて。さすがにシャンパーニュはつらい。もしかしたら、リストの中にはスパークリングがあったかもしれないなぁ。ボトルでとれば良かったかも。
リヨン風サラダ。サラダの中央に半熟玉子が落とされています。ぐちゃっと混ぜて取り分けて食べるのがリヨン風。欧米って、基本的に料理のシェアをしない文化なのですが、ここリヨンのブションではシェアが基本。リヨン風サラダは、大きなボールに盛られて運ばれてきて、みんなで分けて食べます。ちなみに、フランスのレストランは、前の料理を食べ終わらないと次のものを持ってこないので、誰かが話に夢中で手をつけないとみんなが困ることになります。ので、みんな、ちゃんと食べる(笑)。
コショナイユ。盛り合わせです。リヨンはソーセージなどの加工品も有名だから、こういった盛り合わせもいい感じ。パンが出されているので、パンにのっけて食べてみる。
共食い。メインのうさぎのコンフィ。コンフィが好物なのです。低温の油でじっくりと煮たお肉です。うさぎ肉は鶏肉のような味わい。やわらかいです。下はジャガイモのピューレ。つまりマッシュポテトのようなもの。
リヨン名物ブーダン・ノワール。豚の血のソーセージと訳します。レバーのような感じもしますが、日本人向けに癖のないお味。やわらかくて、ふわっと口の中に広がります。こちらも、下はじゃがいものピューレ。上にりんごが乗っています。食べやすい。
デザートです。デザートは「リヨン名物のタルトプラリヌとウフアラネージュ」です。ええ、この「ウフアラネージュ」ですよ、これが食べたくてたまらないのです。
日本語に訳すと「泡雪たまご」。メレンゲが甘いソースの上に浮かんでいるスイーツです。リヨンでは、それこそ冷蔵ケースの中に(ラップをかけて)入っていて、ラップをとって出してくれるぐらいの庶民的なデザート。これがいいのよ。おそらく、高級フレンチでは絶対にでてこないメニュー。
手前は、リヨンのおかし「プラリヌ」がのっったタルトです。さくさくっとこちらもおいしい。
フランスのお菓子って、地方性が強くって、リヨンのお菓子はパリでは簡単には買えなかったりします。クッサン・ド・リヨンもプラリヌも、リヨンでは見かけるけれども、リヨンを出てしまうと買えなくなります。どんなに物流が進歩したとしても、こういう「地方性」は大事だと思います。
ということで、「ウフアラネージュ」を食べたければ、リヨンに行かねば。行きたいなぁ。クッサン・ド・リヨンも食べたくなってきた。
ということで、もう一度「ウフアラネージュ」。実は同席の先輩からいただいてしまったのでした。ああ、なんて幸せ。
二人でワインとランチを楽しんで1万円ぐらい。うむ。お値段はやっぱりミシュランだな(笑)。でも、ミシュラン星付きにしてはたぶん安い。
やっぱり、ビストロなりブションなり、「みんなの食堂」のフレンチが好き。たくさん食べて飲んで話して。2時間以上かけてじっくりと。やっぱり大好きなレストランです。これからも素敵なメニューを期待しております。