初夏のうにを楽しむ (ななしの庵・盛岡)
うちのうさぎさんたちは、美食家である。東京に暮らしていた頃には「生」ものを何も食べなかったすずらんさんは、盛岡にきてから、りんごやお野菜が大好きになった。こちらで育てているなずなさんは、りんごジュースはストレートのものしか飲まない。
しかし。考えてみると、人間もそうかも。私も、東京に暮らしていた頃よりも、好き嫌いがなくなった。
その典型的な食べ物の1つが「うに」。もともと嫌いではなかったけれども、積極的に食べるものでもなかった。それが今は-。
ななしの庵さんでの初夏のうにの昼下がり。この季節のみの贅沢なので、7000円でお願いしました。
最初はシードルから。かんぱーい。
このシードルはスイスで作られたもの。材料は小さくてすっぱいむかしのりんご。今の、食べやすくてきれいに品種改良されたものではなく。ここのシードルは、味がしっかりしていて、日本製の飲みやすいシードルとはまた違った味わいがあります。食べると今ひとつだから、お酒にしたんだろうなぁ。
最初の一口。ぞうすいの上にうに。確かこれは八戸のうにだったかな。ああ~、うに。
お吸い物は、春菊とふぐのしらこ。かぼすで香り付け。
ねっとりした白子の味と、外側のカリッとしたお焦げのコントラストが素敵。お焦げは焼いたおもちの外側みたいな風味。おもしろい。春菊は柔らかくて、これならうちのなずなさんも食べるかも。
うにのカクテル。種市のうに。だったと思う。なすのすり流しにジェリーに油を少々。
種市のうには本当にさっぱりしている。うにに対してさっぱりなんて形容詞を使うなんて、東京にいた頃は考えたこともなかった。なすもおいしいなぁ。
これは?馬肉??牛肉???なんと鯨。
中の山菜と味わいのコントラストが絶妙。よい感じに脂がのっていて、濃厚な味わい。しっかし、ここで鯨を持ってくるのかー。
お誘いいただいた方の差し入れ。私でも飲めるようにアルコール度数の低いワイン。ヤマブドウ酒。ヤマブドウの味が濃いけれども、ジュースみたい。危険(笑)。
これは絶品。のりと大葉にうにを巻いて素揚げ。「天ぷらは蒸し物」という話をきいたことがあるけれども、これね、のりと大葉に守られているから、「うにの蒸しもの」なんですよね。うには油に接していないから、全然くどくない。うにそのものの味のまま。普通に蒸すと時間がかかってしまうから、この油で揚げるという手法で蒸したうに。すごいアイデア。
クルミのいい香り。
今日のメインはサーモン。低温でじっくり火入れして、だけど、皮はパリパリ。枝豆の緑色のソースにゆべしが添えられて。
このサーモンは、釜石で育てられているサーモン。育てるときに使うお水(海水)を工夫して、病気や寄生虫問題を解決している。ちょうどアニキサスの話題も出たのだけど、アニキサスの心配がない。というのは、1つの安心材料。
ウニのソース。を準備しているのを見て、「うにパスタ食べたい」などを話していましたが。
うにソースにじーっくり火入れした半熟卵。これをですね。
ごはんに合わせます。きゃーっ!
ぜったいにおいしい組み合わせ。そして、やっぱりぜーったいにおいしいのでした。うにとごはんの組み合わせは絶対ですよね。はい。
おそらく今日の食事はこれで完了するだろうと思ったので、おかわりもいただく。
締めのデザート。お手製葛餅。酔っ払って写真を取り損ねていたので、同席していたK子さんのをぱちり。
そして、最後はお抹茶で。
大変おいしゅうございました。
ななしの庵さんは、もともとカウンター6席のお店でしたが、今は「1組」のみの受付です。以前はお昼はやっていなかったのですが、最近は昼・夜とやってくれているので、夜にあまり出歩けない身にはうれしい。
これからのウィズコロナの時代には、こういう「一組のみ」のお店の需要が高まることが考えられます。出歩く機会が減ったから、出かけるときには安心な場所で特別においしいものを。
ごちそうさまでした。また来ますね。