この世の終わりにもう一度だけ好きなところで好きなものを食べていいよ、と言われたら、このななしの庵さんにする。と思う。
札幌は都会で楽しくて美味しいんですけれども、このお店には今までご一緒してくださった多くの方々との記憶も刻まれていて。だから、そう簡単にほかのところでは替えがきかない。
年明け、内装に手を入れるようですが、どんなになるのかな。
12月。まだ雪は積もっていないけれども、冬。何か干してます(笑)。
看板も何もないから、外側からは何なのかわからない。
寒くなったら熱燗。店主に熱燗をおまかせ。
おちょこはお気に入りの金魚を狙っている猫の手の柄の。
最初の一品目からお椀。
雉頭大根。大根の皮のきんぴらとともに。
はふはふして食べると、体があたたまる。
そして、二皿目がおつまみという。いや、飲むけど。
あやめ雪(小かぶ)
からすみ
ゼンマイ干したんと三陸ジンジャー
銀杏とむかご 菜種油炒め
ということで、次の熱燗。
古伊万里の上のおつまみは、もったいないので。ちびちびつまめるようにとっておく。
そして。キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
鱈菊。下に昆布。そしてフキノトウ。
冬の味覚の鱈菊+春の味覚のフキノトウ。実はフキノトウはこの寒い時期に土の中で成長しているとのこと。それを雪が降る前に掘り出して。なんて贅沢。
北海道では鱈菊のことをタチというのだけど、私は鱈菊の響きの方が好き。
そして、同じく冬の味覚のぶり。宮古のぶりで背中側。
確かにここでお刺身は久しぶりかも。
いやぁ、酒が進む。次の熱燗。
ホタテである。
寄り添っているのはラフランス。どぶろく酢漬け。そして、ほやを乾煎りしてフレークにしたものが振りかけてある。
んご、贅沢。
しいたけ。三年物のサバの塩漬け、小麦、行者ニンニク漬け。
ワインでシイタケがでると大変なのだけれども、日本酒ならOK。食事との相性という点では、日本酒は本当に懐が広い。
そして、日本酒が進んでしまい、大変である。
さきほど、ぶりの背中側をお刺身でいただいたので、おなか側はぶり大根に。
ぶり大根。女山三月大根と一緒に。刻んだゆずをかけて。
うっほー。今度はアワビ。
天然アワビを昆布と一緒に半日炊いて、じっくり焼いた人参とともに。
肝がさりげなく追加。
お酒が進んじゃうよぉ。
実はこのころまで、まだおつまみ皿におつまみが残っておりまして。
ああ、お酒が美味しい。
本日のメイン。炭火でじっくり火入れしたいわて短角牛。
私が短角牛好きなの知ってるから。しっかり赤身。大好き。
そして仕上げはごはんセット。
お味噌汁とごはんとおしんこ。に加えて。卵2種。卵黄といくら。
いつも思うのだけど、この世の終わりに最後1つだけ好きなものを食べさせてあげるといわれたら。ごはんだろうな。って。
日常。ばくばく食べるわけではないけれども。この美味しさがわかるのは日本人なのだろうと思う。
デザートは昔アイス。
アイスはあきらめて、と言われていたのだけど、なんとかしてくれました。だって、この昔アイス食べたい。食べたいんだもん。
本日もおいしくいただきました。
年に2回程度の楽しみになってしまうというのが大変に悲しいし。そして、店主の石川さんにもさらなる飛躍の時がくるかもしれない。その一期一会を大切にしつつ。そうなんだな、楽しかった時間がつまっているから。なかなか他のところと替えがきかない。
今日もおいしい時間を大切に。