お肉をこよなく愛する私のために(嘘)、filoの中村シェフがいろいろと用意してくださるお肉群。おかげさまで、「お肉を食べること」をこの上もなく楽しませていただいております。「食べることは命をいただくこと」。お料理にはきちんと向かい合いたいと思います。
いわて短角牛:三産地食べ比べ
雑誌の取材で三産地の短角牛の食べ比べを担当されたとのことで、その恩恵に。雑誌の取材で食べ比べされたのは都会の名のあるシェフさんたちだそうで、こんな体験は滅多にできません。ありがとうございます。
- 一番左側(手前)が岩泉短角牛。26ヶ月の女の子。畠山さんちの出身。
- 真ん中のが二戸短角牛。29ヶ月の女の子。漆原さんちの出身。
- 一番右側(奥)が山形村短角牛。29ヶ月の去勢済みの男の子。落安さんちの出身。
どの子もとても美味しいのですが、中年おばさんには二戸のコが合うかな。なんかね、味がしないというのは正しくない表現なんですが、本当にまったくひっかかりがない。もとから自分の一部だったかのように馴染んじゃうんですよ。「味」というのも実は「ひっかかり」であって、馴染んでひっかかりなく吸収される感じだとなんだろ、うーん。味の表現が存在しない。
もう少し若ければ断然山形村短角牛。山形県ではなく久慈市山形町。旧山形村。サーロインという部位もあって、がっつりお肉を食べている感じ。脂身も適度にあって、美味しい。
岩泉短角牛は見事な赤身。赤身なので噛めば噛むほど味わいぶかい。そう、ここでね。岩泉の「噛めば噛むほど味がする」赤身の感じと二戸のとが違うのよ。この表現がうまくできない。赤身と脂身が絶妙のバランス、と言われるとそうなのかもしれない。
と書いていますが。どの短角牛も美味しいです。食べ比べの場合は、「好み」がね、どうしてもあるので、「お気に入り」が出てくるけど。
いわて短角牛&ジャージー牛
左側が短角牛、右側がジャージー牛。
ジャージー牛は13歳のアニマルさん。三谷牧場で乳牛として活躍し、その後、雫石で余生をすごして今ここ。これがダメという方もおられるんですが、食べることは命をいただくこと。どのような履歴を経て、「今ここ」にいるのかは、目をそらしてはいけないこと。
食べ比べちゃうとね、短角牛が美味しいと感じます。しかし、乳牛としてしっかり活躍した後でも、こんなに美味しくいただけるのであれば、この可能性は追求したいところ。
ジャージー牛&黒毛和牛
ジャージー牛さんと黒毛和牛さんのイチボです。
こちらは、両方とも雫石の中屋敷さんとこの出身ですが、ジャージー牛は三谷牧場さんで活躍されていたコです。上のジャージー牛さんと同じで、乳牛として活躍後に余生をゆったりと過ごして「今ここ」。こちらも肉牛として専用に育てられた牛さんの方が確かに美味しいと感じるかもしれないけれども、ジャージー牛さんの可能性に期待。
ちなみに、牛肉さんは「最期の地」が出身地となります。なので、↑のジャージー牛さんは三谷牧場で育ちましたが、雫石の中屋敷さんとこ出身、となります。学歴ロンダリングみたい(笑)。
短角牛&ホルスタイン
左側がいわて短角牛のランプ。右側がホルスタインのサーロイン。
この組み合わせがおもしろい。
今まで食べ比べでは、こちらも美味しいけど、こっちの方が好みかな、という「比べ」要素があったんですが、今回はなし。比べ要素がない。当たり前のようにこの2種類のお肉をいただくことができる。なんでだろう?
組み合わせの妙ですかね...。似ているからなのか違うからなのか。ランプとサーロインだから、両方ともそこそこ脂身のある部位。だからかなぁ?
ホルスタインは肉用牛ではないけど、きっと、大切に育ててもらったんだろうな。普通に美味しい。脂もいやな後味は残らない。
しっかし、いつも楽しませてくださる中村シェフに感謝。いいお肉は一期一会。その時の一押しを出していただけることに感謝。
※いつでも上記のような食べ比べができるわけではないので、ご了承ください。かなり前から予約して、お肉の入荷状況を教えてもらって、メニューを決めています。